▼さて。本誌読者の皆さんに、久しぶりに「オススメ本」を教
えていただきたいと思います。テーマは
「2013年に読んで圧倒された本」
まず、ぼくのオススメ本を挙げておくと、じつは去年読んだ本
なのだが(殴)、断然、
アニエス・アンベール『レジスタンス女性の手記』東洋書林
石橋正孝訳。3990円(高え! 古本もある)
である。正直、2012年に邦訳されたこの本に圧倒されて、
ぼくはメルマガで自分の文章が書けなくなった。こりゃ児戯に
等しいナ、と思っちまったんですね。
1=固有名詞の密度と、2=どうしても「それ」を書かねばな
らない極私的な理由。『レジスタンス女性の手記』は、優れた
ノンフィクションに共通するこの二つの条件を完璧に満たして
いる。そして、
ナチスを通して垣間見える「国家」の狂気。
超人的な記憶力と執念から浮き彫りになる「人間」の尊厳。
この二つを、「これでもか」と体感させてくれる。近い将来、
ニッポンの学校教育に新設されるらしい「道徳」なる科目の教
科書に、ぼくならこの一冊を選定しますナ。「戦争の中身」に
興味ある人なら、まず買って損はない一冊です。
▼ということで、ジャンル一切不問、皆さんお一人お一人にと
っての「圧倒された本」、よかったらその理由を教えてくださ
い。約5000人の読者と共有したいと思います。
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