【PUBLICITY 1953】2013年11月22日(金)
offnote@mail.goo.ne.jp
▼下記の文章、まだ発信していなかったっぽい。やれやれ、何
ヶ月前に元のメモを書いたのか、自分でも忘れてしまった。た
ぶん夏。昨今の沖縄をめぐるマスメディアについての雑感です。
【PUBLICITY 1953】2013年11月22日(金)
offnote@mail.goo.ne.jp
▼下記の文章、まだ発信していなかったっぽい。やれやれ、何
ヶ月前に元のメモを書いたのか、自分でも忘れてしまった。た
ぶん夏。昨今の沖縄をめぐるマスメディアについての雑感です。
▼さて。本誌読者の皆さんに、久しぶりに「オススメ本」を教
えていただきたいと思います。テーマは
「2013年に読んで圧倒された本」
まず、ぼくのオススメ本を挙げておくと、じつは去年読んだ本
なのだが(殴)、断然、
アニエス・アンベール『レジスタンス女性の手記』東洋書林
石橋正孝訳。3990円(高え! 古本もある)
である。正直、2012年に邦訳されたこの本に圧倒されて、
ぼくはメルマガで自分の文章が書けなくなった。こりゃ児戯に
等しいナ、と思っちまったんですね。
1=固有名詞の密度と、2=どうしても「それ」を書かねばな
らない極私的な理由。『レジスタンス女性の手記』は、優れた
ノンフィクションに共通するこの二つの条件を完璧に満たして
いる。そして、
ナチスを通して垣間見える「国家」の狂気。
超人的な記憶力と執念から浮き彫りになる「人間」の尊厳。
この二つを、「これでもか」と体感させてくれる。近い将来、
ニッポンの学校教育に新設されるらしい「道徳」なる科目の教
科書に、ぼくならこの一冊を選定しますナ。「戦争の中身」に
興味ある人なら、まず買って損はない一冊です。
▼ということで、ジャンル一切不問、皆さんお一人お一人にと
っての「圧倒された本」、よかったらその理由を教えてくださ
い。約5000人の読者と共有したいと思います。
(読者登録数)
・Eマガジン 4703部
・まぐまぐ 81部
・メルマ! 68部
・AMDS 22部
【PUBLICITY 1950】2013年9月24日(火)
offnote@mail.goo.ne.jp
【オフノート】東郷和彦42止
〈歴史認識とアメリカ〉
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festina lente.
ゆっくり急げ。
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【PUBLICITY 1949】2013年9月23日(月)
offnote@mail.goo.ne.jp
【オフノート】東郷和彦41
〈大学教育の体験〉
――――――――――――――――――――――――――――
tantumu scimus,quod memoria.
我々は、我々が記憶せるもののみを知る。
キケロ
――――――――――――――――――――――――――――
【PUBLICITY 1948】2013年9月22日(日)
offnote@mail.goo.ne.jp
【オフノート】東郷和彦40
〈新しい領土問題――沖縄と福島〉
――――――――――――――――――――――――――――
absurdum est ut alios regat,qui seipsum regere nescit.
自己を支配することを知らぬ者が
他人を支配するは不合理なり。
――――――――――――――――――――――――――――
【PUBLICITY 1947】2013年9月21日(土)
offnote@mail.goo.ne.jp
【オフノート】東郷和彦39
〈三つの領土問題――北方領土 その2〉
――――――――――――――――――――――――――――
vires unitae agunt
協力は事をなす。
クレアンテス
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【PUBLICITY 1946】2013年9月20日(金)
offnote@mail.goo.ne.jp
【オフノート】東郷和彦38
〈三つの領土問題――北方領土 その1〉
――――――――――――――――――――――――――――
mage cavenda amicorum invidia,quam insidias hostium.
敵の伏兵よりも友人たちの嫉妬に用心すべし。
プブリリウス・シュルス
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【PUBLICITY 1945】2013年9月18日(水)
offnote@mail.goo.ne.jp
【オフノート】東郷和彦37
〈ある外交官の一生〉
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in tuum ipsius inspice.
汝自身の胸を見よ。
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【PUBLICITY 1944】2013年9月17日(火)
offnote@mail.goo.ne.jp
【オフノート】東郷和彦36
〈台形史観のおさらい その2〉
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nemo enim patriam,quia magna est,amat,sed quia sua.
何人もその祖国を、それが大なるゆえに愛するのではない。
それが自分の祖国なるゆえに愛するのである。
セネカ
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【PUBLICITY 1943】2013年9月16日(月)
offnote@mail.goo.ne.jp
【オフノート】東郷和彦 35
〈台形史観のおさらい その1〉
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愛国ということは、自分が自分の国を真に愛していれば、他の
国の人々がその国をどんなに愛しているかがわかるということ
です。つまり、愛国主義こそが国際主義に連環していくのです。
愛国主義が排外につながるのは、非常にオカシイ。だが、われ
われの国はかつてそれをやってきた。
竹中労『右翼との対話』50頁、現代評論社
――――――――――――――――――――――――――――
【PUBLICITY 1942】2013年9月15日(日)
offnote@mail.goo.ne.jp
@offnote_
【オフノート】東郷和彦 34
〈三つの領土問題――尖閣 その2〉
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ne parcas,ne spernas.
容赦するなかれ、軽蔑するなかれ。
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【いまは「戦時下」といってもいい事態】
――尖閣問題も歴史問題であり、竹島問題も本来、歴史問題で
あり、さらに慰安婦問題とダブルパンチになっているわけです
が、国内の論調についてうかがいたいと思います。ネットの中
には、東郷さんを左翼呼ばわりしている人がいます。田母神さ
んの信奉者です。
東郷 そうでしたか(笑)。
――これはすでに右翼とか左翼とかの区分けに意味がなくなっ
ている象徴的な出来事だと思います。
【PUBLICITY 1941】2013年9月14日(土)
【オフノート】東郷和彦 33
三つの領土問題――尖閣 その1
offnote@mail.goo.ne.jp
@offnote_
▼今号と次号とは、東郷さんが「戦後の日本外交史上、最大の
失態」と定義する尖閣諸島問題について。
【PUBLICITY 1940】2013年9月13日(金)
【オフノート】東郷和彦 32
三つの領土問題――竹島
offnote@mail.goo.ne.jp
▼東京五輪が決定する前日、讀賣新聞に「両陛下、地震展を見
学」というベタ記事が載っていた。天皇と皇后が9月6日、上
野にある国立科学博物館の「日本地震学の基礎をつくった男『
ジョン・ミルン』」を見学したという。
天皇は「最初に地震計が作られたのは日本なのですね」とコメ
ントしたとのこと。
それだけの記事なのだが、どうも気になった。
▼東郷和彦さんのロングインタビューは、ここから「三つの領
土問題」についての検証が始まります。
【PUBLICITY 1939】2013年9月11日(水)
【オフノート】東郷和彦 31
歴史とは人間の努力
offnote@mail.goo.ne.jp
▼2020年の東京五輪開催が決まったね。
「新種目に『水かき』を要望します。」 東京電力
【PUBLICITY 1938】2013年9月10日(火)
【オフノート】東郷和彦 30
個人主義と全体主義の間で
offnote@mail.goo.ne.jp
▼東京は、ぐっと涼しいです。30度でも涼しく感じる。なに
しろこの夏は39度とかになりましたからナ。やっぱりニッポ
ンは、ちょっとずつ亜熱帯化してるのかナ?
【PUBLICITY 1937】2013年9月9日(月)
【オフノート】東郷和彦 29
「統帥権」雑感
offnote@mail.goo.ne.jp
▼「メルマ!」にコメント欄があるってことを、ちょっと前に
知った。
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投稿日時:2013/06/09 9:59 投稿者:
投稿された記事: 【PUBLICITY】1931:読者の物語~貧困と自
由をめぐって(1)
久々の発行でも読者数が減らないのはさすが。
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▼どなたか存じませんがありがとうございます。
気まぐれなメルマガですが、気長に、どうぞよろしく。
▼東郷和彦さんへのロングインタビューの第29回。
統帥権についての註です。
【PUBLICITY 1936】2013年9月8日(日)
【オフノート】東郷和彦 28
第4章:黒い瞳の国~East Asia
offnote@mail.goo.ne.jp
▼東郷和彦さんの「オフノート」は、ぼくのせいで随分完結さ
せるのが延びてしまった。東郷さんにお詫びしたい。
そしてその間、領土問題をめぐっていろいろなことが起き、と
ても大変なことになっている。あらためて話をうかがい、歴史
観をめぐる話も含めてまとめた。
このなかには、日本外交の真ん中を歩いてきた人だからこそ訴
えうる主張があるが、それは現在の日本政府の考えを補強する
ものもあれば、日本政府の主張と相容れないものもある。その
どれもが「メモリーの息づいたロジック」であるとぼくは感じ
た。
【PUBLICITY 1935】2013年9月7日(土)
「人間」の境界線――沖縄「屈辱の日」
▼明らかに共通点があるのだが、言葉にするのが難しい。そう
感じるコメントを相次いで目にした。何回かに分けてメモして
おきたい。まず、2013年6月20日付朝日新聞に載った、
琉球放送キャスター・比嘉俊次の声を紹介したい。テーマは「
4月28日」、いわゆる「屈辱の日」だ。
【PUBLICITY 1934】2013年7月6日
日の丸が泣いている――人種差別の報道考 その2
offnote@mail.goo.ne.jp
▼在特会の人種差別デモがどれほど凶暴か。現場であの大音響
の罵倒に頭蓋骨を震わせてみないと、本当にはわからないし、
いや、所詮、ニッポン人にはわからないだろう。
「良い韓国人も悪い韓国人もどちらも殺せ」「朝鮮人は皆殺し
」(2013年6月8日付東京新聞)、「ゴキブリ、ウジ虫、
朝鮮人。お前らを一匹残らずたたきつぶす」(2013年6月
18日付毎日新聞)、女子中学生が「鶴橋大虐殺を起こせ」と
叫び、大人たちが拍手喝采を送る(2013年7月3日付東京
新聞)。
こうした在特会デモの言葉は、新聞、雑誌にそこそこ報じられ
ている。YouTubeで検索すれば動画も簡単に見つかる。それら
から、少しは現場の恐怖を想像することができる。
【PUBLICITY 1933】2013年7月2日
日の丸が泣いている――人種差別の報道考 その1
offnote@mail.goo.ne.jp
▼新大久保や鶴橋などで猛威を振るう人種差別デモをめぐって
、熟読玩味(じゅくどくがんみ)すべき言葉を見つけた。20
13年6月21日付毎日新聞に載っていた鈴木邦男(一水会顧
問)の談話だ。在特会(在日特権を許さない市民の会)につい
て、鈴木はこうコメントする。
「彼らがどんな言葉を吐いているのか、メディアは包み隠さず
報道すべきだ。報道することが助長するという考えもあるだろ
うが彼らの主張に共感する日本人はほとんどいないはずだ」
「包み隠さず報道すべきだ」と鈴木邦男に言わしめるところに
、在特会の問題の深刻さが浮き彫りになっている。
【PUBLICITY 1931】2013年6月9日
読者の物語~貧困と自由をめぐって(1)
freespeech21@yahoo.co.jp
▼一年以上ご無沙汰していたにもかかわらず、さっそく何通か
メールをいただいてうれしいかぎりであります。
▼古川琢也さんの『ブラック企業完全対策マニュアル』は、弱
い立場の人が威張る人と闘うための武器であり、書いた本人は
あまり得をしないが、読んだ人は得をするという、良書によく
あるパターンの、売れてほしい一冊である。
なんというか、ニッポン社会の実相がよく露わになっているナ
と感じるんですよ。いちおう、「ブラック企業」という呼び方
で抽象化するのには若干の違和感があるのだが、実情があまり
にもひどいから、まずは知ってもらうことが先決だと考え中。
▼ずいぶんご無沙汰しております。ってもう一年以上? 時の
経つのは早い。
まとまった時間がとれなくなり、メモがわりにツイッターでつ
ぶやいてばかりいるので(しかもほとんどリツイート)、名前
も「ツブヤキ綴老(テツロウ)」に変えました。
▼安倍晋三首相は5月1日、外遊先のサウジアラビアで、夏の
参院選公約に「憲法96条の改正」を掲げた。この動きに警鐘
を鳴らした各都道府県の新聞は、少なくとも30紙に及ぶ。
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だが、寛容の扉は閉ざされようとしていた。
ルーベンシュタイン『中世の覚醒--アリストテレス再発見か
ら知の革命へ』398頁
小沢千重子訳/紀伊国屋書店/2008年
原著は2003年
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智(ソピア)は昼の世界に安ろうとも、
愛智(ピロソピア)はいつも暁遠き夜のなげきをもつのである。
井上忠「アリストテレスの『有』把握」
『根拠よりの挑戦──ギリシア哲学究攻』250頁
――――――――――――――――――――――――――――
――――――――――――――――――――――――――――
真の権威はいつまでも開いていなければならない。真の権威は
、深い自己把捉により、また他の権威との交通において、変化
するものである。
誤れる権威は、交通を断絶し、自分自身だけに関心をもち、真
理を、一つの排他的な真理を所有していると思いこみ、仮象に
おいて他人と語り、ただ自らの真理を拡張しようと欲する。他
人には聴かせるべきであって、検討させるべきではない。
しかし、交通の断絶する所、そこには究極において暴力と戦争
とが存在する。
ヤスパース「自由と権威」
『ヤスパース選集 21』60-61頁
理想社/斎藤武雄訳
1951年、スイス・ギムナジウム校長会議での講演
――――――――――――――――――――――――――――
【16~恩師との対話、12世紀ルネサンス考】
【註】
▼16から18の3回は、前回からの流れに沿って、外交の話
を少し迂回する。そして、外交に限らず、いわゆる「実務」に
おける哲学、思想の重要性について考えてみたい。
それぞれの実務において、表面的にはまったく関係ないのだが
、知らない間に、実は決定的な契機になっていた──それが哲
学や思想の力なのだろうと思うからだ。
――――――――――――――――――――――――――――
disce ut semper victurus,vive ut cras moriturus.
汝が永久に生くるかのように学べ。
汝が明日死するかのように生きよ。
――――――――――――――――――――――――――――
【15~「弓」を引く力、その源泉】
──「51対49」の話は、『秘録』のみならず、英語で出版
された本(『Japan's Foreign Policy, 1945-2003: The Quest
For A Proactive Policy
』)の結論でも紹介されており、この2冊の最大の共通点にな
っているわけですが、どのような意図があったのでしょう。
――――――――――――――――――――――――――――
jus summum saepe summa est malitia.
極端なる正義は、しばしば極端なる邪悪なり。
――――――――――――――――――――――――――――
【14~「独善」を避けよ!】
──『歴史と外交』では、河野談話や村山談話が一つの均衡点
として働きうると考えておられますね。しかし、実際にはなか
なか作動しない。日本社会は、公的な決定を軽んじがちなので
しょうか。
東郷 その問題提起は、少し違うと思います。
――――――――――――――――――――――――――――
non solum scienta quae est remota a justitia,
calliditas potius quam sapientia est appellanda;
verum etiam animus paratus ad periculum,si sua cupiditate,
non utilitate communi impellitur,
audaciae potius nomen habet quam fortitudinis.
正義を離れた知識は、智と称するよりは、むしろ怜悧と称せら
れるべきのみならず、なおまた、危険に対して覚悟する勇気は
、もし、一般的利益によってではなく、自己の欲によって駆ら
れるならば、剛毅の名よりは無謀の名を受ける。
キケロ
――――――――――――――――――――――――――――
【13~右か、左か。「嫌米」のバックラッシュ】
──この「慰安婦問題」の顛末と関係していると思うんですが
、『歴史と外交』では、自分の立ち位置が、「真ん中より少し
右」から、「真ん中より少し左」へ移動した、という自己認識
を記されていますね。
――――――――――――――――――――――――――――
私のものの見かたが、いまの日本の思想界のなかで、どのあた
りに位置しているのかは、自分ではよくわからない。便宜的に
いうならば、外務省で仕事をしていたころは、真ん中より少し
右にいるのかなと思っていたが、いま、書店にならぶ本を見れ
ば、むしろ真ん中より、少し左にいるのかなと思う。
『歴史と外交』303-304頁
――――――――――――――――――――――――――――
──もしそうなら、最近は、この思いは強まっているのではな
いでしょうか。
――――――――――――――――――――――――――――
安倍総理の歴史観には、小泉総理よりも明確な「日本の名誉を
守る」という視点があった。しかしながら、それが一方的で単
純な政策の形成としてあらわれれば、中国、韓国、ひいては米
国とのあいだで、不毛・無用・消耗でしかない歴史戦争を引き
起こす危険性があった。
その結果は、おおむね予想がついた。一九四五年に軍事的にす
べてを失った経験の反復である。歴史問題をめぐる新たな対中
対米同時戦争によって、こんどはすべてを文化的に失う危険性
があった。
東郷和彦『歴史と外交』15頁
――――――――――――――――――――――――――――
【12~情報戦における敗北の事例】
【註】
▼今号はほとんどすべて引用のみである。
2007年、アメリカの下院議会で日本への謝罪要求の決議案
が採択された。外交や交渉という、人間の営みについて考える
うえで、この典型的な事例から学びうることは多いが、東郷さ
んの意見は、『歴史と外交』にほぼ言い尽くされている。当該
箇所を引用しよう。
まず、決議案採択の前に、アメリカで行われたシンポジウムに
て。
――――――――――――――――――――――――――――
「ゆでガエル症候群」という説がある。沸騰するお湯に放り込
まれたら、カエルはすぐに飛び出して命は助かる。しかし、ぬ
るま湯に入れると居心地がよいものだから、ゆっくりと水温が
上がっていっても、何が起きているか気づかない。
そのうちにカエルはゆだってしまうのだ。
アレックス・カー『犬と鬼 知られざる日本の肖像』369頁
新潮社、2002年4月25日第1刷
――――――――――――――――――――――――――――
【10~日本の地盤沈下/ゆでガエル症候群】
──日本は国際社会のなかで地盤沈下していると言われますが
、東郷さんも、そう感じますか。感じるとするならば、すぐ思
い浮かぶ実例はありますか。
東郷 この10年間、日本の国際社会における地位は明らかに
低下している。地盤沈下しています。
――――――――――――――――――――――――――――
quis,quid,ubi,quibus auxiliis,cur,quomodo,quando?
誰が、何を、何処にて、如何なる助けによって、
何故に、如何に、如何なる時に。
――――――――――――――――――――――――――――
【09 第2章:職業としての外交】
──まず、第1章の補足として、東郷さんの国家に対する感情
についてうかがいたいのですが、『歴史と外交』では、次のよ
うに回想しておられます。
――――――――――――――――――――――――――――
pareo,non servio.
私は従う、屈服はせず。
――――――――――――――――――――――――――――
──北方領土問題について、こう書かれていますね。
――――――――――――――――――――――――――――
北方領土問題は、日本が太平洋戦争をいかにして戦い、いかに
して敗戦をむかえたかという歴史に直結する、民族の心の痛み
の問題である。具体的には、一九四五年の春から秋にかけて日
本とソ連の間でおきた様々な不幸な出来事に、そのすべての根
源を有する。
秘録384頁
――――――――――――――――――――――――――――
東郷 はい。結局、対ロシアの交渉に従事する外務省職員の最
大の使命は、北方領土返還であるわけです。
――――――――――――――――――――――――――――
hoc fonte derivana clades in patriam populumque fluxit.
この源より生じたる禍は祖国及び国民を襲えり。
ホラティウス
――――――――――――――――――――――――――――
──2000年の4月に、鈴木宗男さんが訪ロし、プーチン大
統領と会いますね。小渕さんが倒れた直後です。東郷さんは外
務省欧亜局長でした。あの前後で、何が起こっていたのか、そ
こからうかがいたいと思います。
――――――――――――――――――――――――――――
四月二日の夜、鈴木氏から、訪ロに同行することになっていた
私の自宅に電話があった。
「総理が倒れられた」
――――――――――――――――――――――――――――
mitte superba pati fastidia,spemque caducam despice;
vive tibi,nam moriere tibi.
〔主人の〕傲慢なる軽侮を忍ぶことをやめよ、
而して滅びやすき希望を軽んぜよ、
汝のために生きよ、何となれば汝は
汝のために死すべきが故に。
セネカ
――――――――――――――――――――――――――――